小4の頃、好きな男子と漫画を描いていた

今日は思い出話でも。

人と違う生き方は それなりにしんどいぞ
何が起きても 誰のせいにもできないからね

『耳をすませば』 雫の父

漫画家になることを夢見てた時代があった。

しかし、小学校高学年あたりから「そんなことで食っていける人はほんの人握りしかおらず、私は大学に行ってきちんと就職するしかないのだ」と当たり前のように考えるようになった。

母は厳しかった。私にリスクのない安定した人生を歩むことを望んだ。(今ならわかる、そんなものなどない。)
大学へ行き、地元で就職し、実家で暮らし、公務員と結婚するのが理想であると、子どもの頃から何度も言い聞かされてきた。

人と違う生き方なんで絶対にしない、普通が一番だと思っていた。私はつまらない箱入り娘だった。




漫画家になりたかった

小学校3〜4年生の頃、私は漫画家になりたかった。

東急ハンズで丸ペンやらGペンやら、インクにスクリーントーン、原稿用紙まで揃えた。
漫画の描き方が載った本を何度も繰り返し読んで、模写した。

休み時間は外で遊ばず、自由帳にひたすら絵を描く子ども。昔からインドアだった。

かと言って、別に友達が少ないタイプではなかった。
昔から付き合いは浅く広かったし、男女問わず誰とでもよく喋った。
ただ、女子のグループに所属するのは苦手だった。

小3の時、私は同じクラスになった一人の男子とめちゃくちゃ仲良くなった。

彼とはものすごく気が合った。同じことを考えている双子のきょうだいみたいだった。

話が盛り上がった時、よく同時に同じ言葉を口にしては「気が合うねぇ〜!」と二人でまたハモって笑っていた。
彼はバイオリンとスキーを習っており、私は彼を「お坊ちゃん!」とふざけて呼ぶこともあった。

女子よりも、彼と話している方が楽しかった。

そんなお坊ちゃんのもう一つの趣味は、漫画を描くことだった。
好きな漫画家は手塚治虫と尾田栄一郎。
当時連載が始まったばかりの『ONE PIECE』も彼は大好きで、私も勧められて1巻から買い始めたのを覚えている。

分厚いキャンパスノートに彼は空手漫画を描いていた。
完全にONE PIECEに影響を受けまくった彼の絵柄で、空手のチャンピオンを目指す物語だった。

タイトルはまさしく『チャンピオン』だったと思う。多分。
っていうか今思えば、設定が完全にONE PIECEやん。

「私も一緒に描きたい!」

とかそんなことを言ったんだと思う。

彼は私に何の文句も言わずに、大事なそのオリジナル漫画を、私との合作に変えてくれた。

私はライバルの女空手家を、少女漫画の絵柄で描いた。
一つのコマの中で少女漫画とONE PIECEが戦っていた。めっちゃ変。

私は負けず嫌いで「最強」という言葉が大好きだったので、女空手家が勝つように描いてばかりだった。
それでも彼は、私の暴走に合わせて主人公をちゃんと負かせてくれた。

血を流して悔しそうに「くっ…」って描いた、ルフィみたいな目の主人公のことは今でも覚えている。

結局、その漫画は小5に上がる直前、クラスの他の男子に「あいつ、お前のこと好きらしいよ」と言われるまで続いた。

両思いだった

それから卒業まで、彼が私立受験で違う中学に行くまで、お互い恥ずかしくなって口を聞くことはなかった。

私も彼のことが好きだったんだなって思った。
卒業までの2年間はなんとも切ない両思いだった。ガキのくせに。

そして漫画家の夢は、母の「そんなんで稼いで食っていける人はほんの一握りだからやめなさい。」という現実的すぎる一言で諦めた。

笑い話になった

中学生にもなれば、お互い携帯を持つようになり、いつの間にかアドレスを知って、時々メールをしたり遊んだりする仲に戻っていた。

その頃には、漫画家の夢も彼と両思いだったことも、所詮は子どもの頃の思い出話。

「両思いだったよなぁ〜」なんて笑って言えるようにまでなった。

私は母の希望通り、大学を出て名古屋で社会人になった。そして、彼は東京で新聞記者になった。

その時一度、彼が酔っ払って電話してきたことがあった。
電話を切った後、上司の前で泣きながら「あいつのこと好きだったのに〜」って泣いたと後から本人に聞いた。
さすがにもうキュンとするわけでもなく、「お前ほんとに私のこと好きだなw」って言って二人で爆笑した。

いつもどちらか一方には付き合ってる相手がいた。
今思えば、二人ともフリーだったタイミングがあったら、付き合ってたんじゃないかと思う。

二人とも会社員を辞めた

酔っ払って彼が泣いてから4年。

彼は新聞記者をやめ、実家の家業を継ぐために名古屋に帰ってきた。

そして私に電話で言った。

「俺、結婚することになったから。」

なんかちょっと寂しいなって思った。もう気楽に飲みに行けなくなるから。
「あ、私も好きだったのに〜って泣けばいいやつ??」って言ったら彼は笑ってた。

相変わらず今でも言葉がハモる。気が合う友人であることは20年経っても変わらない。

私も今は正社員で働くことをやめ、バイトしながらライターをしたりブログを書いたりしている。

人と違う…というか、会社に生活を保証されていない生き方はそれなりにしんどい。
まさしく、もう誰のせいにもできないのだ。

漫画家は二人とも諦めたけど、お互いフリーランスや経営者を目指している。
20年来の同志がいると思うとまだまだ頑張れそう。

あ〜下手に付き合ったりしなくてよかった。これで一生友達でいられる…。

と、先週誕生日おめでとう〜ってLINEしたのでいろいろ思い出しましたって話でした。
9月の結婚式で酒飲んで暴れてやる!!

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